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卯辰山 出展 / 「観光の金澤」第7号より

東山公園の一角 出展 / 「北陸ゆうらん」五月號より

 

卯辰山・東山公園

古い地図を見ると卯辰山の山頂に東山公園があったようである。

 

卯辰山は金沢城を見下ろす位置にあることから江戸時代は庶民の登山が長らく禁止されていた。

慶応3年(1867)に加賀藩14代藩主前田慶寧が福沢諭吉の「西洋事情」に触発され、大衆の為の諸施設を整備。卯辰山養成所(病院と製薬所をかねた施設)、陶器・漆器・綿布・紙・瓦などの作業所、学習施設、湯治施設や芝居小屋などを整備し、天満宮の造営も行った。かなり大規模な文化・教育施設だったようである。一時は相当賑わったが、廃藩とともに寂れた。

 

その後、公園として整備されていき、大正3年2月に開園。

 

昭和33年11月1日(1958)山頂付近に松本観光株式会社が娯楽施設「金沢ヘルスセンター」を開園。動物園や演劇場、映画館、小遊園地、大浴場や宿泊施設があった。さらに隣接地には「金沢水族館」を開園。ヘルスセンターと水族館の間にはロープウェーが設置され多くの人で賑わった。

しかし、時代の変化で客足が遠のき、平成5年(1993)閉園。

動物園の動物たちは能美市のいしかわ動物園へ移され、平成11年(1999)に「石川県立いしかわ動物園」として開園した。水族館の魚の一部は七尾市のとじま水族館に移された。

 

今でも健康交流センターや工芸工房などがあり、公園としても充実している。

相撲場もあり、ここでは高等学校相撲金沢大会が毎年開催されている。この大会は金石涛々園で行われていたこともあった。